コンセプト

四季に寄り添い、和の贅を尽くす

料理人として、美味しいものを召し上がっていただきたい、と思うのは当たり前のことです。そのなかで、特に意識しているのが【〜味・美・香・器・優・技・季・室礼〜】のトータルバランスです。その日に入った旬の魚や菜の食材をコース仕立てにしたお任せ料理一本のみ。日本料理の「季節感」や「香り」をいかに届けるか。それは日本ならではの、四季に寄り添うことをまず一番に意識しています。尚且つ、オーソドックスとは明らかに違うけれども、喜んでもらえる、驚いていただける料理を目指しています。満足していただくには、「味」「技」「器」は基本的なこと。そこにどう付加価値をつけるかも日夜努めています。白を基調としたシンプルな店内ですが、「室礼」として、必ずお花を飾るようにしています。カウンター越しにお客様と対面で料理をお作りし、お出しするときには流れのある料理の説明が必要ですし、会話をするには「優しさ」という名の心配りが必要不可欠です。肩肘張らないけれど、どこか緊張感もある‥そんな空間にしたい。さらに、日本料理では不足とされがちなデザートや、料理とお酒のマリアージュにも真摯に取り組んでいます。四季のある日本に生まれたからこそ、旬の食材を味わう。和の贅を尽くした、どこにもない料理を味わっていただきたい。そして、その先の付加価値を求めて。
久野 正光  ひさの・まさみつ
1972年、大分県生まれ。昔から料理をつくることが好きで、学生時代には趣味でケーキやクッキーなどをお菓子づくりもしていた。卒業後、大阪を訪れ、「大阪といえば、和食」というイメージから、ミナミの割烹で修行を始める。20年あまり、キタやミナミの割烹で働くなかで、27歳のときには料理長として2店舗を歴任した。その後、リーガロイヤルホテル大阪の割烹「みおつくし」にて料理長を7年務めた後、独立して2017年7月に「老松 ひさ乃」を開店。2018年にミシュラン1つ星を獲得した。